落石注意

  • 子供の頃でも大人になってからでもいいんですが、道ばたに落ちている面白い形や色の石を拾ったことはありますか? ああいう趣味って他人には理解されにくいですよね。なに拾ってんのみたいな目で見られることも多々。いいから手、洗ってきなさい!とか言われたり、世間の風当たりは強い。
  • 言うまでもなく、宝石は石から作られます。原石を磨いて、輝かせて、10カラットだか24カラットだか数値化して売られるのが宝石。言うまでもなく宝石商は商売であり商業であり、そこには何か絶対的な比較基準が設けられていて、10カラットダイヤが24カラットダイヤの価値を上回ることはない。だけど、道ばたに落っこちてる「白っぽい石」と「ところどころ線の入った石」の価値は、それを見つけた人のセンスによって何度でも逆転する。何が誰の琴線にどう触れるかなんて多分誰にも(ときには本人でも)わからない。
  • 商業演劇が宝石売場だとするなら小劇場は岩場だと僕は思っていて、そこには「丸い石」「角ばった石」「変な形の石」「気持ち悪い色合いの石」「ほんとに石かコレ?って物体」などが大小さまざまにひしめきあっています。もちろんその中には磨けば光るダイヤの原石もあるでしょうが、しかし、どれもこれも磨いて光ってダイヤになってじゃワンパターンすぎて面白くないじゃありませんか。すべての価値をカラット数(知名度/制作費/劇場規模)に換算還元してしまう前に、そいつがまず石として魅力的かどうかを僕らは一度立ち止まって考える必要があると思うのです。
  • さあ、当初の比喩から極力離れないように話していたつもりですが、そろそろこのへんで「え?」って人が現れる頃合いか。僕のたとえ話はいつだってそうなるのです。反省。この続きはもう少しまとまってから。