ステイヌ連鎖/ヒーローは来ない

劇団サーカス劇場×劇団地上3mm 「イヌ物語」
脚本:清末浩平(劇団サーカス劇場)/演出:川口典成(劇団地上3mm)

@下北沢シアター711

 負け犬、犬死に、権力の犬、ろくな比喩として使われない割には人間に最も愛されてる(と人間サイドは思い込んでいる)イヌの性質に引き寄せられ集まってきては、勝手に鎖で繋がってどこにも行けずにいるマンションの住人たちによる受難の日々芝居。ごみ袋が荒れ狂い弁当箱がひっくり返ってもなお、憎たらしいほど清潔さを帯びたエントランスの床と蛍光灯の白色に宿るかすかな終末感。
 青竹先生の筋金入りの胡散臭さといったらなくて、胡散臭すぎて逆に入信してしまいそうになるカリスマ性でした。ただの照明の加減かもしれないけど、一瞬後光が差して見えたもの。