トニーとレオンのスラップスティック

  • 台本が未完なので、僕の大好きな『稽古場の賄い料理』こと、エチュード三昧でした。たった一人で場の空気を制圧できる役者も魅力的ではあるんですが、三人がかりで付け入る隙もないよなグルーヴを生み出せる役者たちの凄味を見た今宵は『映画指南』と『アーモンドって木?』の二本立て。想像力の欠如した若者たちに見せてあげたい。
  • 説明を聞かない者、適当にいなす者、相槌しか打たない者。誰ひとりとして話を前に転がせずタンブルウィード化していく会話って、信じられないでしょうが不思議と見てて飽きないのです。それはまるで電車に乗り合わせた見ず知らず赤の他人の会話*1に思わず吹き出してしまうような感触。
  • そしてエチュードが面白いってことはイコール役者陣に同じ世界観が浸透している証拠でもあるわけで、滑り出しとしては順風満帆、あとはもう、ただひたすらに『いい脚本』が現れ出でるのを待つばかり。

*1:あれは「隣人会話劇」という一つの演劇ジャンルではないか、と時々思うこともある。