コンテンポラリー無宿

開幕ペナントレース 「ROMEO and TOILET」
構成・演出:村井雄

@アサヒアートスクエア

 榎本俊二『ゴールデン・ラッキー』の感触を誤差10%以内の精度で舞台上に再現できるのは世界広しといえども開幕ペナントレースだけだと確信していますが、これをニューヨークに持ってって絶賛を浴びた事実は俄に信じがたいというか、この味がわかるとはニューヨークもなかなかやりおるわい、などと不遜にも思ってしまう凱旋公演。
 『笑い』にも方程式があるとしたら、開幕ペナントレースはその方程式に明らかに数字じゃないもの(ザリガニとかメーテルとか)を放り込んでいると思うのです。だから笑う側はもはや、途中から何の目的があって笑っていたのか分からなくなる。遠足当日の朝に40度の高熱出した小学生がヤケクソで踊るジグザグダンスのような切れ味、といえば正確だけど伝わるまい。