Miss Entertainer/歌を愛して人を憎まず

うたのイワト vol.4
vocal,guitar:二階堂和美/piano:黒瀬みどり

@神楽坂シアターイワト

 なんてこった、僕が今まで見てきた/聞いてきたニカさんは実力の半分も出していなかった!と仰天させられる年一回・人数限定、天の岩戸の宴。15分で完売の高倍率を勝ち取って初めて参加したその世界は高揚も恍惚も飛び越して、もはや法悦の境地でした。
 実は半分近くがカバー曲でできていた構成も、『誰々の何々という曲(だから好き/嫌い)』というノイズを解除して「歌」だけを純粋抽出できる二階堂和美その人なればこそ。顔をくしゃっと歪めたり両手を弓のように番えたりして全身を楽器と化すパフォーマンス*1は毎度のことなのですが、それらの集大成ともいえるのが「小学3年生の甥っ子がクラスの発表会でやってた出し物があまりに素晴らしかったので、それを今日やります」という衝撃発言から突然始まった、おふざけともコントともミュージカルともつかぬ、しかし二階堂和美の持つ技巧とポテンシャルすべてが贅沢に注ぎ込まれた異形の大作『三年とうげ』。なにしろ元が小学生の出し物ですから、まるごと1クラス総力をあげて上演するのが前提になってるはずの作品をたった一人(とピアノ一台)で再現するという離れ業。もはや歌でもなんでもない、なのに歌としか呼びようがない。まるで枝雀落語を見ているような心地でしたが、ああなんか文章じゃ絶対伝わりそうにもないのが歯痒いやら悔しいやら。


第1部(抜けあるかも)

  1. いくつもの花
  2. 時が流れても
  3. 'S Wonderful(Diana Krall
  4. 不明(英詞カバー曲)
  5. 萌芽恋唄
  6. Lovers Rock
  7. あなたと歩くの
  8. いてもたってもいられないわ

第2部(曲順あやふやなので順不同、抜けあるかも)

アンコール

  1. 買物ブギ(笠置シヅ子
  2. 幸せハッピー(坂本冬美

Wアンコール

  • 思い出のアルバム(童謡)

*1:ただ、それにしても今日のニカさんは、いつにも増してボディランゲージがすごいことになっていた。初めて遊園地に連れてってもらう子供みたいなハシャギよう。