アンチ頭脳・アンチ本能

突劇金魚 「ビリビリHAPPY」
作・演出:サリngROCK

こまばアゴラ劇場

 巨大怪獣が踏み潰したクレヨン箱みたいにグチャグチャに入り乱れ端折られまくった物語をマトモに時系列で追っかけてくのは至難の業ですが、そんなことしなくても自動的に涙は流れる仕組みになっているのです。感情の針が振り切れるに任せて繋がったシーンの連続は、しかしツギハギのわりには境目が全く見えずあたかも一枚布のよう。いつの間にかハンモックの要領でフワリと簀巻きにされて無重力空間に沈んでゆく。
 最後まで何の説明もされないままその場に馴染んで存在していた絶滅危惧種(進化前)が素敵でした。