一寸の虫には一寸の魂


 電車は平気で3駅以上乗り過ごす(ひどい時は大江戸線と間違えて総武線に乗っていた)、傘は1日で3回も買い直す(2本は電車に忘れ1本は風で壊れた)、惣菜売場の低い天井へ吸い寄せられるように頭をぶつける、と散々フラフラヘトヘトな僕が集中力を取り戻せたのは劇場の中だけだったわけですが、そんな日々も今日で一旦終わり。取り急ぎ、ずるずると脱け出してしまったタマシイを日常に取り戻さなくては。しかし、その前に『昆虫大戦争』ご来場の皆様ありがとうございました。
 こゆび侍が劇団化して間もない頃に(きっと向こうは忘れてるだろうけど)、いつかお互い「またお前かよ」って辟易するまで長く一緒にやれたらいいねみたいな話をしたことがあって(そこには勿論「それまではお互い演劇を続けている」という暗黙の約束もあったんですが)かれこれ4年以上が経ちます。その間いろいろな劇団が活動を休止したり、いろいろな人たちが演劇から離れていったりしました。そんな中「またお前か」と口では言いつつも既にライフワークに近いほどの付き合いとなりつつある集団はこゆび侍をおいて他にありません。ある日突然「糞が光るんですが大丈夫でしょうか?」って、とてつもない体質の悩みを打ち明けられたような内容の電話には面食らったものの、心のどこかでそんな気がしていた自分の第六感が憎い。辛口な常連のお客さんにMVPの称号までいただいて、幸せ者ですよ全く。