スタッフワーク

SAMURAI STRIKE BACK

こゆび侍「Sea on a Spoon」初稽古へ。初稽古はブレインストーミングから。座組全員が同じテーマの周りを同じ速度でぐるぐる旋回しながら、着地できる地平線を探す作業。一時は新興宗教すれすれのところまで行ったこともある成島メソッドですが、あのころと…

ダイジェスト+1

初日:熊川ふみ(範宙遊泳)さんの身に降りかかったハプニング、その切り返しの見事さに舌を巻く。「失敗を笑いに転化して切り抜ける」ことさえできないシリアスなシーンでの、あまりに高度なアドリブ綱渡りに素直に感動して本人に話しかけたところ「どああ…

オープニュアイズ クロージョライズ

目崎剛は「天才」ではないし「自信家」でもない。それは稽古をちょっと見ればわかる。どちらかといえば「ナイーブな努力家」という言葉がよく似合う、これからの人である。そして、それだけで充分ついて行く価値はある。地道な努力が必ず実を結ぶとは限らな…

あなたのひとみにうつしたい

今月もあとわずか、つまり『あなたのひとみにうつらない』本番まであとわずか。ですが今日は「たすいちの小道具さん」ではなく「みんなの小道具さん」として、偏愛ではなく博愛の精神でもって諸々並行作業。外の暑気と中の冷房と合間の頭痛とたたかいながら…

あれとあれがあればあれだ

世の中に存在しない、あるいは存在するけど実物を見た人はほとんどいない。そのようなものを作るとき、僕がよく使うのは「パブリックイメージ検索」です。あ、造語です。 たとえばカッパ。おそらく誰も本物を見たことがなく、さらには「これが正しいとされて…

ワセダ会談

たすいち稽古2回目。さすがにいつまでも「何もせず稽古場で台本読んでるだけの見ず知らずの人」ではいられないので、今この完本したタイミングを逃さず目崎氏を打ち合わせに誘い出す。台本の隅をつつき、障子の桟のホコリを指で掬う姑みたいな執拗さで自分…

山賊のいる教室

たすいち『あなたのひとみにうつらない』稽古場にお邪魔する。比喩でもなんでもなくお邪魔する。行って、ただ座ってました。あなたのひとみにうつらない、わたしは現場でなにもしない。 というのも小道具を使うのかどうかが不明で、このまま何も作らずに本番…

復路

エネルギーとエレクトロニクスの提供でお送りしましたロロ『旅、旅旅』ついに終演。長かったような短かったような、などという感慨はあまりに常套句すぎるので書きませんが(書きましたが)、ご来場ありがとうございました。 めちゃくちゃ楽しかったんだけど…

シニフィアンプラスワン

たとえば大海原を西へ西へと進んだコロンブスが新大陸を発見したように、誰も信じていないだけで本当はシュールを突き詰めた果てには新しいリアルがあるのかもしれないし、よしんばリアルじゃなくたって目の前に間違いなく「それ」が「ある」ことへの純粋な…

旅の宿王子

小屋入りして2日め、仕込みは経過順調。舞台が建って物が置かれて初めてわかることも多数あるし、視覚的おもしろさの追究はまだまだこれからです。皆様の目には『旅、旅旅』かなりトリッキーな作品に映るやもしれませぬが、わかる/わからないを飛び越えた…

旅は托生

4日間稽古場行かなかったら後半部分の演出が新作かと思うくらい変わっていた。こないだ通し稽古やったのに! まだまだ固まらない、小さくまとまらない、その勢いのまま本番初日へ雪崩れ込んでしまえばいい。 と、「観客」の僕は本心からそう思ってるのだけ…

再び、度々

ロロ『旅、旅旅』通し稽古でした。通し稽古というよりはデバッグに近いか。シーンごとの稽古で一旦190%にまで膨れ上がった演出プランを、冷静になって100%へ落とし込む詰め将棋のようなもの。

瞬間移動はできません

杉並区某所にある「小道具の聖地」にて買い出ししてから稽古場へ。ここに来るたび驚かされるのだけど、そろそろ職人芸の域にまで達したどんぶり勘定。少なくとも「この箱の中すべて400円」の箱から1つ、「すべて100円」の箱から3つ品物を取り出して、あと…

2010年右脳の旅

『旅、旅旅』は、もしかするとロロによる平成版『さようなら、ギャングたち』かもしれない。 っていう僕のコメントが本番始まる頃には嘘八百になってしまいかねないくらいに、試せば試すほど激変してゆく演出。1からどころかゼロから世界を組み立てては壊し…

旅は寄り道

ロロ『旅、旅旅』稽古場を初訪問。稽古場が大学校舎内で、しかもここは父の母校でもあり(まったくの偶然)、なんか変な気持ちでソワソワする。 配布された台本の見たこともない形式(縦横無尽な配役、天衣無縫な展開、豪放磊落なト書きetc.)に戸惑いながら…

Right Here, Right Now, Open Yr Eyes!!

ぬいぐるみハンターが終わった舌の根も乾かぬどころか未だ終わってもいないうちに、こゆび侍『網膜火傷』公開通し稽古に参加。初演の核心部は残しつつシンプルに削ぎ落とされた脚本は、よくよく考えてみればリーディングに最適な構造した話だったことに遅ま…

ジタバタ讃歌

ゲネプロ以来、客席に人が入った状態でようやく今回の「モグラの性態」を観る。はっちゃけて跳ねて弾け飛んで、ふくらましてる途中で手を放された風船のような舞台。 やっぱり僕は客席にいるのが好きなんだなあと今更ながら思うのです。自分たちが面白いと思…

やぶれてかぶれてパーティーチューン

小屋入りしてます、ぬいぐるみハンター。キョーレツな舞台美術が組み上がり、モーレツな場当たりとゲネプロを経て、ひどく湿度の高い世界観がついに全貌を現そうとしています。 この作品は再演ということで僕は初演を観ていないのですが、生物学的にありえな…

ぼくは政経ができない

言ってみるもんだ、のご縁により、小屋入り前日のこの日に次の次の仕事の打ち合わせ。お話自体はずいぶんと前にいただいていたのですが、なかなか予定が合わず、ここにくるまで長かった。もう一生会えないのかと諦めかけた日もあった。待ち合わせの極意とは…

狂ってるは最高の誉め言葉

小道具ぞろぞろ持ってぬいぐるみハンター稽古場へ。持ち歩くのに躊躇する品物ばかりですが特に、台本上に何の縛りも存在しない、完全に僕の「面白さ基準」に委ねられた物体。深夜3時台の思いつきが導くままに作り進めた結果、なんかへんなのできちゃいまし…

少年地団駄

ぬいぐるみハンター『モグラの性態』稽古場へ初訪問。一人を除いて全員はじめましての出演者たちに、持ち前の人見知りを遺憾なく発揮。あがりすぎて土足で部屋にあがりかけてしまった。そんなアメリカンな稽古場じゃなかった。 台本読んだ限りでは嘘つきバー…

一寸の虫には一寸の魂

電車は平気で3駅以上乗り過ごす(ひどい時は大江戸線と間違えて総武線に乗っていた)、傘は1日で3回も買い直す(2本は電車に忘れ1本は風で壊れた)、惣菜売場の低い天井へ吸い寄せられるように頭をぶつける、と散々フラフラヘトヘトな僕が集中力を取り…

虫眼鏡の向こう側

『昆虫大戦争』劇場入りしました。いつも劇場入りすると疲弊しきった身体にも不思議な力がみなぎり、どう考えても不可能に思えた量の残務さえ奇跡的にこなせたりするのですが、そうでなくとも今回の仕込みはいつになくスムーズに進みます。 昆虫をモチーフに…

2の月は釣瓶落し

とても残酷な事に、2月は1月より3日も早く終わりを迎えます。だから本番まではあと3日しかないのですが、まだ3日あるという見方もあります。昼間の気温がぐんぐん上がってゆく中で僕は、閉め切った部屋に暖房をがんがん効かせて加湿器もOFFにして半…

発展途上の五倍の二乗

なんか着実に完成に近づいてると思ったら一週間前だった! 連日連夜の作業に一区切りつけるべく、小雨の中を自転車で足がくがくになりながら、小学生とかに怪訝な目で振り向かれながら稽古場へ。 僕の焦りはピークを過ぎて最早フラットな水平線を描く。心電…

シャルピー衝撃値

夜中に接着剤を切らして、どこもお店が開いてなくて、お粥3合炊いて泣きながら手捏ねで糊を作る...そんな夢を見た。こいつは相当参ってる証拠だわ、と、現時点での懸案事項を伝えに稽古場へ。たまに様子を見に行かないと作ってる物の本質を見失いそうになる…

ギブミー・エマルジョン

頭が痛むのは慣れない化学の勉強をしたせいか、それとも揮発成分のせいか。どっちにしても難問トンネルの出口は遠い。いつもなら並行でできるはずの作業が、スペースの都合上どうしても一つずつしかできないのです。とはいえ、ここで東京の住宅事情を憂いて…

カケヒキレスネス

王子からの帰り道、成島氏から着信あり(ホラー)。何事かと恐る恐る出てみたら、あはははは、他人事のように笑ってしまったよ。 にしても成島氏、さすが長い付き合いだけあって乗せ方を心得ていらっしゃる。どの角度から斬り込めば僕が断らないか、むしろ身…

ふりむけど反面教師

こゆび侍の稽古場ブログに一足早くすっぱ抜かれてしまいましたが、このたび3人になったNichecraft*1で小道具を分担し、少しだけ気が楽に。あ、でも気づけば残りあと3週間もないのだな。 メンバーが増えてよかったことは、このタイミングで「メンバー増やさ…

タタキバレスネス

『昆虫大戦争』の小道具思案中。なかなか閃きが降りてきません。おかしいな、いつもなら、もうそろそろ。あ、見えたかも。あ、逃げられた。の繰り返し。 誰が言ったか(おれだ)、小道具は一生にして成らず。6年やってても手探り感は払拭できません。確率的…