ワセダ会談


 たすいち稽古2回目。さすがにいつまでも「何もせず稽古場で台本読んでるだけの見ず知らずの人」ではいられないので、今この完本したタイミングを逃さず目崎氏を打ち合わせに誘い出す。台本の隅をつつき、障子の桟のホコリを指で掬う姑みたいな執拗さで自分の出番を作りあげ、やっといっぱしの小道具さんに昇格。
 演出家と差し向かいで対話できる機会って打ち合わせタイムを除けば意外と少なくて、ずっと一緒にやってても互いの思惑は謎のままだなんてことは珍しくもないのです。が、実は長期構想でスタッフやりたい者としては、目先の小道具の素材の話なんかよりも、全体的な「作演出のスタンス」をインタビューしておくほうが全然重要だったりする。そんなわけで雑談交えながらとはいえ、この早い段階でそこまで引き出せた今回の打ち合わせは大成功だったと思うのです。