復路

properties2010-05-10

 エネルギーとエレクトロニクスの提供でお送りしましたロロ『旅、旅旅』ついに終演。長かったような短かったような、などという感慨はあまりに常套句すぎるので書きませんが(書きましたが)、ご来場ありがとうございました。
 めちゃくちゃ楽しかったんだけど、なんのためらいもなくト書きに「ざぶーん」って書いてあったり*1、役者の口からいろんなものが出たり*2やりたい放題の脚本を自らゲル状にかき混ぜてリミックスする三浦氏の手腕に対し、初参加ゆえの覚束無さで距離感測ってるうちに終わってしまったという気分でもあります。
 純粋に観る側だった頃の自分がロロに求めていたものは間違いなく「解釈不要の撹乱」だったのに、いざ関わるとなると演出意図に拠り所を求めてしまったり、守りに徹してしまった部分も少しはある。これは多分ロロと僕だけの問題ではなく、きっと僕だけの問題であり今後の課題でもある。あの作品を通して伝えたかったこと、伝わらなかったこと、伝えたくなかったこと、伝わってしまったこと、そういうの全部ひっくるめて、三浦氏ともう一度話がしてみたい。打ち上げを終電で中座してしまったことを今ごろ悔やんでも遅いのだけど。
 そして今回のこれを踏まえて、今年の僕には、Nichecraftには、するべきことが山ほどあるのに気づく。もちろん小道具としてのお誘いもどんどん引き受けていくのだけど、それだけじゃない何かを、「ただの小道具さんじゃねえぞアイツは」っていう付加価値を積極的に引き寄せていきたい。

*1:思わず職務を忘れて「どっかから水が出てるよ、水が!」と狼狽してしまった。

*2:「役者の口から取り出せる変な小道具」は作れても「無尽蔵に小道具が取り出せる役者の口」は作れない、さすがに。