シニフィアンプラスワン


 たとえば大海原を西へ西へと進んだコロンブスが新大陸を発見したように、誰も信じていないだけで本当はシュールを突き詰めた果てには新しいリアルがあるのかもしれないし、よしんばリアルじゃなくたって目の前に間違いなく「それ」が「ある」ことへの純粋な興奮と希望。ロロに関わると頻繁にそんな瞬間と立ち会うことができて、胸がつまるような胸がすくような、不思議な気分になれる。
 当分の間はあの曲を聞くたびにあのシーンを思い出すんでしょうけど、それにしてもやっぱりあの始まりかたは反則だわ、なんて思うのです。まだ残り2日4ステージ残ってるもんで指示代名詞だらけの文章お許し願いたい。
 いま改めて旗揚げ公演のチラシを見ると、ロロの演劇へのスタンスについてこう書いてありました...『演劇が演劇であることを遊び倒す』。この一点において嘘がないことは作品を10分でも見れば明らかなので、どうぞ皆様遊ばれ倒されに来てください。当初、台本読んだとき「小説なら面白いけど舞台化は不可能だろう」とか思ったりもしたんですが、いつのまにやら活字化も映像化も不可能な演劇に化けていることを再確認。