あれとあれがあればあれだ


 世の中に存在しない、あるいは存在するけど実物を見た人はほとんどいない。そのようなものを作るとき、僕がよく使うのは「パブリックイメージ検索」です。あ、造語です。
 たとえばカッパ。おそらく誰も本物を見たことがなく、さらには「これが正しいとされているカッパ像」が一応あるとして、それを見ていない状態で、いわゆるうろおぼえの状態で多くの人によって描かれてきた動物。かんたんにいうとイラスト伝言ゲームのようなことが長い歴史の中で行われてきたわけです。さてここで、それらイラスト伝言ゲームの経過を覗いてみましょう。
google:image:カッパ
 たくさん出てきます、いやになるくらい出てきます。たまに本気で関係ないものも出てきますが、たいていが「頭に皿がある」「皿の縁にギザギザがある」「緑色」などを含みます。これを数学の世界では「最大公約数」というらしいですが、僕はそっちのほうは明るくありません。
 ここで発想を逆転させると、他の要素がどうであれ「頭の上に縁がギザギザの皿が乗った、全体的に緑色の生物」でありさえすれば、それは「カッパ」と看做すことができるというわけ。これを数学の世界では「最小公倍数」というらしいですが、僕はそっちのほうは明るくありません。
 ずいぶん前置きが長くなったけれど、僕が今やっているのは×××××××、それも目崎氏の指定によると「かわいい×××××××」の最大公約数を探る作業。もちろんパブリックイメージというからには誰もが容易に想像する「その姿」があるわけですが、調べてみたら意外とこれが...みんなイラストだからって好き勝手やりすぎだろ。エッシャーの絵みたいな構造しているソイツを無事に立体化できる日は来るのか?