旅は寄り道


 ロロ『旅、旅旅』稽古場を初訪問。稽古場が大学校舎内で、しかもここは父の母校でもあり(まったくの偶然)、なんか変な気持ちでソワソワする。
 配布された台本の見たこともない形式(縦横無尽な配役、天衣無縫な展開、豪放磊落なト書きetc.)に戸惑いながらも、ロロにしかできない感覚のエッセンスがぎゅうぎゅうに詰まった作品だってことは間違いなし。そこへ一つ一つのセリフを振付するみたいに演出がノイズを付け足してゆく。ラベルが貼られてない100種類以上のスパイスを逐一毒味しながらカレー鍋に放り込んでゆくような、この非効率な方法を僕は支持したいと思うのです。効率のよさを求めるのは小屋入りしてからで充分だ。今はとにかくダイナミズムしかないこの世界に身を委ねさせて、お願いだから。