明日は我が身のアンビバレンツ


 都内をうろちょろしながら連続ミーティング。の前に腹ごしらえをと入った某中華定食屋にて、50代後半くらいの威圧感あふるる映画監督?プロデューサー?(以下50)と、20代前半の助手?付き人?らしき人物(以下20)が話しているのに遭遇。
 50は20に対して何か猛烈に説いていらっしゃったのですが、その言い方がいわゆる「俺はお前より30年も長く生きている、よって俺は正しい」的年功序列イズムに満ちた頭ごなしというやつで「そもそも映画とは」「誰が見たって」「だからお前は」などなど反論を封じ込めるための枕詞が、それ以外に手持ちの武器はないのかと思うほど連発されて、ああ気が滅入る回鍋肉がまずくなる。50の映画にかける想いがどれほどのもので、20の映画に対する無知がどれほどのものか部外者である僕にはわかりませんが、それでも、50の言い分は傍から聞いてるかぎり「大先輩からの有り難いアドバイス」というよりは「大先輩からの有り難いアドバイスにかこつけて既成概念の枠で囲って絶対その外へ出すまいとする弾圧」にしか聞こえなかった。
 で、内心少々呆れたと同時に、自分も知らず知らず同じことをしていないかと少々不安になったミーティングからの帰り道。価値観を押し付けることはしたくなくって、でも共有しておきたい価値観があって、それは対立する考え方ではないはずなのに両立は難しくって、どうすりゃいいのって独り勝手にうだうだ悩む。いま進めている企画が突破口になってくれることと信じたい。
 行きも帰りも桜がきれいでした。