旅は托生


 4日間稽古場行かなかったら後半部分の演出が新作かと思うくらい変わっていた。こないだ通し稽古やったのに! まだまだ固まらない、小さくまとまらない、その勢いのまま本番初日へ雪崩れ込んでしまえばいい。
 と、「観客」の僕は本心からそう思ってるのだけど、「スタッフ」の僕はおろおろあわあわ。ロロの場合、演出意図に一本の強い芯が入っているから、どんなに形を変えてもそれが有効になる組み合わせはきっとあるはずなのです。ただ、演出家が賢すぎるがゆえに、「溺れている時に藁なんか掴んでも助からない」と知り尽くしてしまっているがゆえに、いざ溺れそうになった時どうやって助け舟を出せば掴んでくれるのか迷う迷う。極端に身も蓋もないこと言ってしまえば僕と三浦氏が同じ地点をゴールとして見ている保証はどこにもないわけですが、つくづく対症療法しかできない外注スタッフという立場を歯がゆく思う。
 とはいえ、不安なことを考えるから不安になるのだ。捨てろ棄てろ、そんなもんは。
 初日まであと1週間となりました。もう一度書きますが、4日間稽古場行かなかったら後半部分の演出が新作かと思うくらい変わっていた。だったらここから巻き返すのに7日もあれば充分でしょ。現に僕は最初に呼ばれた時から期待しかしてないし、稽古中にその期待を下回ったり裏切られたりしたことは一度もない。それって結構すごいことだと思うんですが、どうですか?