恋のハバネロ甘酢あんかけ

味わい堂々 「ぼくらのアイドル」
作・演出:岸野聡子

@下北沢OFF・OFFシアター

 味わい堂々そのものを指しているかのようなタイトル。「元気をもらえる芝居」だなんて陳腐な表現じゃ何も伝わるまいし実際これ見て元気をもらえるのかどうかは僕としても甚だ疑問ではあるものの、味わい堂々を観に行くのは仕事帰りに限ると僕は思っているのです。休日の昼間から観たって楽しめるには楽しめるだろうけど、なんとなくもったいない。働いた自分へのささやかなご褒美として観たい。僕にとってはビールがわりみたいなもんです。
 味わい史上最もブラックかつ最もビターな終わらせ方ですが、なぜだか救われなさは微塵も感じません。ハッピーにもバッドにも明確には振り切れず、観る者のネクラ度をそのまま鏡のように映す印象のエンディング。
 初日トラブルの跳ね返し方が、これまた類を見ないというか、あ、言っちゃうんだって思った。思ったんだけど、よく考えたら先に言った者勝ちな気もするし。リピートするか否か本気で苦悩中。