Like A Beijing/セコムしてません

北京蝶々 「アンゲーテッド・コミュニティ
作・演出:大塩哲史

@中野テアトルBONBON

 初めて行く劇場。予想を大きく上回る美術の動きかた(絵合わせパズルゲームの画面でも見てるのかと思った)に仰天。転換するたびに、あわわ、あわわ、ってなる。
 劇団名の由来*1に忠実な世界を描く北京蝶々ですが、今回は特に忠実。実在するシステムと実在するシステムとを少しだけボタン掛け違えたまま組み合わせる「すこしも不思議じゃないSF」。こんなにも簡単に裏返るのだ善悪二元論というやつは。
 言動の端々に浮かぶトゲ、尊大な態度、目のひんむき加減とかだけで理屈抜きに「あぁもうこいつ絶対悪人!」と決めつけたくなる心情にかられるのは役者が技術に長けているのもある一方で、後半でその予断が見事にひっくり返され自分が誘導尋問にかかっていたと思い知らされる瞬間の鳥肌ったらなかった。

*1:wikipedia:バタフライ効果を参照のこと。「劇団ハリケーン桶屋」にしなくて本当によかったと思う。