芸劇震度3

FUKAIPRODUCE羽衣 「愛死に」
作・演出・音楽・振付・美術:糸井幸之介

@池袋東京芸術劇場・小ホール2

 『曝す』の『曝』という字が『爆』という字に似てるのは単なる偶然ではないと思う。ヒトの体からこんな熱量が出せるものかと羽衣観るたび思う。舞台上に曝された役者から爆発する躍動感、いやいや『感』なんてもんじゃない躍動そのもの。飛び散る汗や唾が舞台上にスコールを呼び起こし、最前列で観ていた僕をもベシャベシャに濡らす。遠心力で手足が千切れたり地団駄で床が吹っ飛ぶんじゃないかと心配になるくらい全身全霊を振り乱して踊るその姿には、こむつかしいりくついっさい抜きにして「生命」を感じずにいられなかった。
 途中で訪れた「完全明転」に息をのむ。夜空に特大の花火が上がって真昼より明るくなったみたいなあの感覚。