恋と吹き矢
- 「黄昏ガールズ/STORY OF MONSTER」
- 監督:荒船泰廣(sushi film)
@池袋シネマ・ロサ
これまで数々の劇団のオープニング映像を、演出家の采配如何によっては芝居本編がオマケと化しかねないクオリティ*1で作り上げてきた鬼才アラフネの実写映像作品、ということでかなり期待のハードル上げて行ったのですが、見事にしてやられた。
人間が生きていくことの気持ち悪さだとか、もっと言い切ってしまうと人間の(動物の)生きてること自体に対する生理的な嫌悪感を嫌悪感のまま全肯定してしまう(気持ち悪いからこそ釘付けにさせてしまう)スタンスが一貫しているのです。どんなに醜く傷ついても不思議な清潔感に包まれていたり、噴射する大量の鮮血にノスタルジーかきむしられるなんて体験、したことないでしょう?
2作とも田舎が舞台だったのも印象的。このモバイルユビキタス全盛の時代に「野菜の無人売店から盗んだ100円玉で繋がる公衆電話ごしの声の体温」や「真夜中の道端に座り込んで友達を待つ心細さと治安」などを、僕より年下の監督がきっちり自分の皮膚感覚で描いてくれてるってのは結構嬉しかったりするんです。