ヤン・シュヴァンクマイエル展を見るために、はるか逗子まで遠征してきました。入場料1000円、往復交通費2000円の理不尽に耐えながら。
 僕にとってシュヴァンクマイエルとは『食べ物をまずそうに撮らせたら世界一の映像作家』です。入り口すぐに展示された猿の剥製の頭と鳥の剥製の胴体をくっつけたオブジェからも、それに通じるグロテスクさを感じて感銘を受けてたのですが、順路に従い先へ進むにつれ目に見えてコストダウンしてゆく素材。石膏とか紙ヤスリを適当な大きさにちぎったものが登場し、とうとう台所用品やお古の体操靴まで使いだしたので急速に親近感がわく。しまいには作品解説の中で「シュヴァンクマイエルは幼少時、食器洗いが大嫌いだった」とか書かれていて、ああ、なんというか、人間だなあって思いました。
 最後に、ロビーでシュヴァンクマイエル映画祭のパンフレットを見て、実は自分がたったの三作品しか見ていなかった*1ことを知り、愕然とする。

*1:どうやら「チェコで作られた気持ち悪いアニメーション作品は全部シュヴァンクマイエルが撮った」と勝手に思いこんでいたもようです。どんな先入観だそれは。しかも自分が一番好きな作品が全く違う人の作だったのはショック。