ミニマル爺空間

梅佳代 写真展
「じいちゃんさま」

@原宿リトルモア地下

 被写体は有名人なんかではなく写真家の祖父。言ってみればこれは「赤の他人の家族アルバム」なわけで、そんなもの見せられても…面白いのはなぜなのか。面白いというか、なんでここまで人柄の透けて見えるシャッターチャンスを逃さないでいられるのか、ってことを考えたときに、ああそうか撮ってんだもんなあ、と気付く。当たり前だけど、だって撮ってるんだもの、家族が家族の写真を密着24時間*1で。ほかの「赤の他人の家族アルバム」がつまらないのは多分、旅行とか行った記念に『旅行を』撮ってるからで、旅行に一緒に行ってない僕らは「知らんがな」となるんだけれど、『長生きする家族を』撮ってるこの写真は同じく生きてる僕らに「生きてるねえ」「生きてる生きてる」と言わしめる説得力があるのでしょう。そういえば僕、おじいちゃんっ子だったんですよ(発表されても困るでしょうけど)。

*1:じいちゃんさまが虫を至近距離からキンチョールで殺生されたあとでカーペットに残ったキンチョールの染みを拭いている一連の流れの中、写真右下隅の日付が変わっていたのには笑った。