ブラッシュ・アップ・マジック

  • こゆび侍3日目を迎えました。役者の演技はもちろんのこと、小道具も進化を重ねることを余儀なくされています。同時平行でやっているはずのマダマダムーン*1の場当たりもゲネプロも見ないで王子にいるのはなにゆえか、って思いながらケータリングのお菓子などつまんでいると、成島氏が背後から音もなく近づいてきて「いまお時間よろしいですか」とのたまう。会話の定石というか当然の相槌として「はい何でしょうか」と僕が返すと、それを受けて「実はですね…」と成島氏が続ける。この何気ない2、3のやりとりに仕掛けられた巧妙な罠を僕は未だに察知できず、気がつけば楽屋の隅で、舞台上で、客席で、道具箱を広げる羽目になっている。
  • そうは言っても嫌なら断ればいいだけの話だろ、ってなもんですが、劇団員でもないのに劇団員から「(こゆび侍の)親のようだ」とか言われては図に乗らないわけにはいかないというもの。この程度のことで舞台がよくなるならやりますとも。頼めば何でもしてもらえると思ってる演出家がいて、頼まれれば何でもしてあげるスタッフワークがあって、なんて幸福な集団なんだとか思って、そういう幸せな関係性の中に含まれていたくて、2日目昼に見せたベストアクトを早く軽々と追い抜いてほしくて。実際、これで実力120%出し切って頭打ちだと思われる状態からでも「まだ行けるでしょ」って焚きつけたら本当に150%を叩き出せる人たちだと信じているので。

*1:そういやマダマダムーンについてのブログを一度も書いてないことに気づいたけれど、それはひとえに「わざわざ書くような波風が立っていない」トラブルレスな理想的状況によるものです。現に小屋入り日に破損チェックに行ったけど破損がなさすぎて30分で帰されましたから。