I WAS DAZAI

「Project BUNGAKU 太宰治
原作:太宰治
『HUMAN LOST』 演出:広田淳一(ひょっとこ乱舞)
『燈籠』 演出:吉田小夏(青☆組)
ヴィヨンの妻』 演出:松枝佳紀(アロッタファジャイナ)
人間失格』 演出:谷賢一(DULL-COLORED POP)

八幡山ワーサルシアター

 太宰治の小説を僕が初めて読んだのはいつだったかも、どこで読んだのかも忘れてしまった。文学部を出てるくせに自分から文学に親しんでいったことのない僕のことだから、教科書に載っていたのかもしれない。だけどあんな薄暗い小説、夢も希望もある中高生に読ませちゃ駄目だ。音読と称して生徒を立たせて公衆の面前で「生まれてすみません」なんて言わせちゃ駄目だ。
 そう思っていたのは、とんだ見当違いだった。太宰のやつは意外とPOPだった。にくたらしいほどに。

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セカンドグッドモーニング

味わい堂々 「アジミ杯」Bプログラム
演出:岸野聡子
  1. 『最終回』 脚本:関村俊介(あひるなんちゃら)
  2. 『シンデレ』 脚本:成島秀和(こゆび侍)
  3. 『くび』 脚本:カリカやしろ
  4. 『紅頬少年冒険団の夏』 脚本:イチキ游子(B-amiru)

@北池袋アトリエSENTIO

 2日連続で通うアトリエSENTIO。忙しくても10時開演なら大丈夫、という人たちでごった返す大盛況の早朝寄席であり、姪っ子の運動会を見に行くような気軽さと楽しみを詰め込んだ一時間。

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サンクスギビングッドモーニング

味わい堂々 「アジミ杯」Aチーム
演出:岸野聡子
  1. 『小人を待ちながら』 脚本:北村耕治(猫の会)
  2. 『こちらレニングラード西・国立バレエアカデミー石巻支部』 脚本:タケノボリ
  3. 『本当に怖い女の飲み会』 脚本:名嘉友美(シンクロ少女)
  4. 『サツキとメイとスカイツリー』 脚本:佐々木充郭(バジリコ・F・バジオ)

@北池袋アトリエSENTIO

 どんな脚本であろうとカラッと清々しい秋晴れのような作品に仕上がってしまうのは、単に演出家の力だけじゃなくて味わい堂々という特殊な引力で結びついた三人だからこそ為せるワザだと思うのです。岸野さんが他の役者を演出しても、よそから呼んできた演出家に味わい堂々を演出させても、きっとこんなふうには作れない。「役者である前に仲良しであり、仲良しである前に役者である」タマゴニワトリ論のように互いに入れ子になった関係性から繰り出される軽快なフットワークと確かなチームワーク。

世界の間取りから

Aga-risk Entertainment 「みんなのへや/無縁バター」
作・演出:冨坂友

@渋谷Gallery LE DECO 4

 アガリスクの陰と陽(あるいは光と影)(あるいは躁と鬱)。両極にぶっちぎれた作風からなる二つのワンルームマンション。

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扉を閉めろ!

tsumazuki no ishi 「ハバカリ・ザマin寝覚子SA2010夏」
脚本:スエヒロケイスケ/演出:寺十吾

@下北沢ザ・スズナリ

 無計画大学生、巡査部長兼麻薬密売人、集団自殺志願者、無差別大量殺人志願者、嬰児遺棄志願者、境界例、、、どこにも行けないしどこにも戻れない、オモテ社会に憚られて弾き出された憎まれっ子たちが集う公衆トイレ(ハバカリ)群像劇。

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