2007-01-01から1年間の記事一覧

正気の沙汰

足かけ三ヶ月にわたる間髪入れずの稽古場訪問第三弾、(現時点での)ラストを飾るハイブリッド渾沌へと合流。 今日はダンス特訓の日だったらしく、残念ながら本編稽古は見れず。ずいぶん前にもした打ち合わせの内容をすっかり忘れ、まるっきり同じ質問をした…

子供には見せられないけど、童話

終わりました、網膜火傷。ご来場の皆様ありがとうございました。pit北/区域という場所を『大都会の真ん中に出現した巨大なアリジゴクの底』に仕立て上げ遊び尽くした今公演、いかがでしたでしょうか。打ち上げの席で僕を評して『おもに肉にかかわる仕事』と…

本日モ炎天ナリ/区域

ひょっとして溺れてしまうんじゃないかと心配になるくらい汗をかきながらたどり着いたその場所の名は、『pit北区域』ではなく『pit/北区域』でもなく、『pit北/区域』。その不自然なスラッシュの位置に象徴されるとおり、かなり風変わりな劇場です。奇妙な三…

スズナリハウスの生き物たち

トリのマーク(通称) 「5時には家に帰ろう」 構成・演出・照明・音響・美術:山中正哉 @下北沢ザ・スズナリ ひさびさのトリのマーク、そして、ひさびさの観劇。実は7月1日のはなとゆめ以降なにも観ておらず、いわば喉カラカラな状態でありつき貪り観る…

ぼやかして語る

成島氏の発注する物品はいつだって僕を心躍らせるのですが、こんな発注で躍る僕の心をおかしいと人は云う。いいじゃないか、仕方ないじゃないか躍っちゃうものは。僕はただ、こんなことでもなくちゃ絶対作ることなんてなかったはずのものを作りたいだけなの…

スプラッター匠

過去を振り返れば、高校のころは暗い英単語にばかり詳しい少年でした。覚えても使うアテもないくせに、受験必須単語や構文なんてそっちのけでagonyだのlamentだのslaughterだの。 だからなのか、因果律が巡り巡って今、こんな小道具をせっせと作っているのは…

光の届かない稽古場

さて、なにぶん本番まで時間がないので取り急ぎ稽古場へ。大勢の見学者の方々に混じって通し稽古を見る。 急いでいて台本を家に忘れたことにより、純粋な観客となることができたのですが、こゆび侍史上最もわかりやすいストーリーでありながら最も複雑な構造…

Better than "more better"

意味があることに必ずしも意味はなく、意味がないものにも意味付けはできる。ベターポーヅを観るうち、手伝ううち、関わるうちに僕が自然とたどり着いたのはそんな持論でした。 そりゃ確かに作家は演出家は綿密な計算に基づいて作品を作り上げなくちゃならな…

出番は二回

初日あけて膝笑う。 今回、いつもとは違うポジションについている僕が感じるプレッシャーは尋常じゃないわけです。小道具だったら忙しいのは本番前だけ、本番中は(壊れたりしないかビクビクしながらも)比較的リラックスして観客席の一人に紛れられるのです…

左脳には見えない風景

明日から小屋入りという時期にきて初めて通し稽古を見る。 ベターポーヅの名誉のために言っておきますが、通し稽古が今日まで行われなかったわけでは勿論なくて、ただ単に僕が見る機会が今日までなかっただけの話。僕が日常的な些事(些事と言い切っちゃおう…

たとえばこんな、ダンシング

雷雨の中、稽古場へ。初めて今回の稽古を見る。たっぷり長尺のダンスシーンを見ながら、ああそうだったベターポーヅってこんなだったと思い出し、ただただ物理的に、蛇口をひねられたみたいに目許が潤む。と同時に、ただただ物理的に、テグスで持ち上げられ…

まだ何も言えぬ

遅まきながら、ようやくベターポーヅの稽古場へ。 そして早速、稽古も見ずに別室で小道具作業など。 稽古を見て台本を読んでいてもワケガワカラナイ小道具が次々に出てくるのがベタポの醍醐味のひとつですが、稽古を見ず台本も読まずで作りはじめる小道具は…

みつけてくれてありがとう

でかい蜂がいるなと思って、首が取れるほど大きく上半身をスイングさせて避けたらトンボだった。スイングした拍子に背骨が木魚みたいな音で鳴った夏、まだ七月。 みなさん夏バテなどしていませんか。僕の夏バテはまだ始まったばかりです。これから三連続の小…

sekai ni touch

近所の公園にて、「世界にタッチ!世界にタッチ!」と叫ぶ子供を目撃。 言いながら手足を振り回すその仕草は出来損ないのダンスみたいで、「世界にタッチ」という無闇にカッコいいフレーズとのミスマッチ感が余計に僕をとらえて離さないのでした。やめなさい…

いのちがけの暗闇にて

初対面の相手が多い(前回比)、こゆび侍の稽古場へ。さすがにもうそろそろ緊張しないで稽古場入りできるようになりたいなとは思うけど、やはり最初の訪問時は深呼吸の一回でもしないとドアひとつ開けられない。心拍あがる。腕も震える。首と背骨が痛む(そ…

7/7/ギブ/テイク

そういえば、もうすぐ七夕なのでした。七夕といえば笹の葉、短冊、願い事、ですが、ちょっと待ってください。それを叶えるのは誰? 元はといえば、七夕は織姫と彦星が出会える日。しかし、彼らに願い事をするのはお門違いというもので。なぜなら二人は自分達…

個性派×10+1(医者)

はなとゆめ 「はなとゆめ」 作・演出:津久井亜以 @阿佐ヶ谷アートスペースプロット 突然ですが、役者が有名か無名か、というのは単なる現状でしかないわけです。だから、役者の知名度は役者の優劣とは一切関係がない。全員が用意のドンで同時に産まれて同…

資金洗浄あるいは銭洗い弁天

武谷公雄一人芝居 「マネー$ロンダリング」 脚本・演出:梶山裕三・河原啓太(バングラッシー) @東松原broaderhouse 知り合いの照明さんからお薦めをいただき、観劇。 武谷さんとは昔、僕の記念すべき上京後第一発目の小道具仕事であったコマツ企画の日替…

動線は加速する

猫と扇子の和え物 「ヒューマニティーノイズ」 作・演出:田端真志 @しもきた空間リバティ いままでの作風が光に向かっていたとすれば、それを質・量ともに同じぶんだけ闇の側へ引っくり返したかのような作品。ひとの善悪なんて白黒つけられるようなもんじ…

関数童話

サンモールスタジオ・プロデュース 「Nf3 Nf6」 作:野木萌葱(パラドックス定数)/演出:佐山泰三(サンモールスタジオ) @新宿サンモールスタジオ 舞台上の二人が向き合う机の上に置かれたチェス盤の上が第二の舞台。そこで交わされる、戦争と数学にまつ…

無の3D

風花水月 「ホタルカワ」 作:二川みか/演出:上松頼子 @王子小劇場

覚めても他人の部屋のよう

堆高く積み上がった段ボール山脈の真ん中で目覚める引っ越し翌日の朝。以前よりほんの少しだけ東に動き、今日から区民です。 荷解きもそこそこに、週末は観劇3本と打ち合わせ1本の予定が詰まっていて家財道具が揃うのは当分先になりそう。テレビも無けりゃ…

永遠かと思った

シベリア少女鉄道 「永遠かもしれない」 作・演出:土屋亮一 @池袋シアターグリーン・BIG TREE THEATER

さよならフランケンシュタイン

引っ越しに向けて準備中。かなり時間に余裕をもって片付けを始めたつもりなんですが、この4年間に自分のしでかした仕事量の多さと雑さに辟易する。たとえば… たしかに買ったはずなのに行方不明になっていた100円の小型ノコギリが、未開封のままひん曲がった…

初日の母は強し

ハイバイ 「おねがい放課後」 作・演出:岩井秀人 @こまばアゴラ劇場 さて、演劇には「初日の魔物」というものが棲んでいます。ほかにも「二日目のジンクス」「マチネの怪物」「休演日明けの虚無感」「楽日の暴走」などがあり、消去法でゆくなら100%何の心…

恐怖の居残り

「机のなかみ」 @テアトル新宿(レイトショー) なんというか、「ものすごく自信のあったセンター試験、じつはマークシートの記入欄が一つずつズレていて0点でした」的な悲劇。完全に取り返しがつかなくなってしまってからのリピート再生と、そのあとに延…

イメージ戦略

新宿にて、ずいぶん先、9月末の公演について打ち合わせる。 これまた初参加の劇団なんですが、4ヶ月も前に(僕のスケジュール調整で待ってもらっていたので実際に話をもらったのは3月ごろ)何を打ち合わせることが、と正直少しだけ思ってました。企画書・…

みつけた

わ・を・んアーティスト: detune.出版社/メーカー: HEADZ発売日: 2007/04/18メディア: CD購入: 2人 クリック: 84回この商品を含むブログ (27件) を見る 近々引っ越すので、極力荷物を減らそうと思ってたんです。ただでさえ家には用途不明のくせに捨てられな…

エンディング・テーマ

むかしむかし、あるところに…で語り始めることができそうな浮世離れした劇場。駅徒歩3分の線路沿い立地なのに地元の人もあまり知らない隠れ芝居小屋。前日の夜から搬入が可能で寝泊まり可能、やろうと思えば徹夜設営や徹夜稽古もできるハコ。 楽屋というよ…

ぼくらはみんな脊椎動物

これまで、厳しい現実・不測の事態・勇気を要する決断などに対して弱腰だったことは数知れないが、まさか本当に物理的に腰が弱っているとは思わなかった。なんて、うまいこと言う余裕くらいはとりあえずあるのだ、というアピール。 近頃頻発する腰痛の原因が…