集まれ、浮かべ/Imagi-nation

浮世企画 「お茶を一杯」 作・演出:今城文恵 @千歳船橋APOCシアター 物心ついた頃から電話があってメールもあって、っていう間接的コミュニケーションが当たり前の時代に生まれたのに、それらに対して全面の信頼を委ねられない完全デジタル移行できない、2…

恋と吹き矢

「黄昏ガールズ/STORY OF MONSTER」 監督:荒船泰廣(sushi film) @池袋シネマ・ロサ これまで数々の劇団のオープニング映像を、演出家の采配如何によっては芝居本編がオマケと化しかねないクオリティ*1で作り上げてきた鬼才アラフネの実写映像作品、とい…

立体への暴行

範宙遊泳 「ラクダ」 原作:『wikipedia:らくだ_(落語)』/作・演出:山本卓卓 @王子小劇場

配線は延びているか?

FUMICO and TIM (SPOONEYE/ZUZUSHIIMONKEY) Exhibition 『SWITCH』 @池袋B-gallery 西武新宿駅前のガード下に展示されていた奇怪なオブジェに魅せられて以来、どうにも忘れられないでいたZUZUSHIIMONKEYという名前。ちょうど今このタイミングで展示をやって…

※やや重要※リニューアルのお知らせ

Nichecraftのホームページがhttp://nichecraft.orgに移設しました。 それに伴い、小道具スタッフとしての活動報告の更新はそちらに譲り、「徒花ならばサラダにすれば?」は今後、辻本個人の観劇ブログと成り下がります。もちろんスタッフをやめたわけではな…

謎もないのに謎めく女

ダックスープ 「透明感のある人間」 作・演出:ブルースカイ @下北沢ザ・スズナリ 観に行くなら覚悟はしておいたほうがいいと思うので、書きますが、「前売3800円に見合う感動」が欲しくてチケット買ったわけじゃないんです。3800円と引き換えに得られるも…

SAMURAI STRIKE BACK

こゆび侍「Sea on a Spoon」初稽古へ。初稽古はブレインストーミングから。座組全員が同じテーマの周りを同じ速度でぐるぐる旋回しながら、着地できる地平線を探す作業。一時は新興宗教すれすれのところまで行ったこともある成島メソッドですが、あのころと…

ダイジェスト+1

初日:熊川ふみ(範宙遊泳)さんの身に降りかかったハプニング、その切り返しの見事さに舌を巻く。「失敗を笑いに転化して切り抜ける」ことさえできないシリアスなシーンでの、あまりに高度なアドリブ綱渡りに素直に感動して本人に話しかけたところ「どああ…

オープニュアイズ クロージョライズ

目崎剛は「天才」ではないし「自信家」でもない。それは稽古をちょっと見ればわかる。どちらかといえば「ナイーブな努力家」という言葉がよく似合う、これからの人である。そして、それだけで充分ついて行く価値はある。地道な努力が必ず実を結ぶとは限らな…

あなたのひとみにうつしたい

今月もあとわずか、つまり『あなたのひとみにうつらない』本番まであとわずか。ですが今日は「たすいちの小道具さん」ではなく「みんなの小道具さん」として、偏愛ではなく博愛の精神でもって諸々並行作業。外の暑気と中の冷房と合間の頭痛とたたかいながら…

芸劇震度3

FUKAIPRODUCE羽衣 「愛死に」 作・演出・音楽・振付・美術:糸井幸之介 @池袋東京芸術劇場・小ホール2 『曝す』の『曝』という字が『爆』という字に似てるのは単なる偶然ではないと思う。ヒトの体からこんな熱量が出せるものかと羽衣観るたび思う。舞台上…

I miss you more than you miss me

バジリコ・F・バジオ 「君といつまでも」 作・演出:佐々木充郭 @下北沢駅前劇場 だいたい僕の褒めるポイントが世間一般とずれていることは自覚しています。「え、そこで笑うんだ」「え、そこ評価するんだ」と呆れられたことも数知れない。だから、そんな…

あれとあれがあればあれだ

世の中に存在しない、あるいは存在するけど実物を見た人はほとんどいない。そのようなものを作るとき、僕がよく使うのは「パブリックイメージ検索」です。あ、造語です。 たとえばカッパ。おそらく誰も本物を見たことがなく、さらには「これが正しいとされて…

700万とグーニーズ

悪い芝居 「らぶドロッドロ人間」 作・演出:山崎彬 @王子小劇場

イッツアスモールテキスト

豆本フェスタ2 @東京卸商センター3F きっかけは池袋ジュンク堂書店で手にした『くすりのリスク』という一冊の本でした。「かわいさ」と「ユーモア」と「コドモ狂気」を兼ね備えた、握りこぶしの中に隠し持てるほどの小さな本。そこからいろいろ検索に検…

ワセダ会談

たすいち稽古2回目。さすがにいつまでも「何もせず稽古場で台本読んでるだけの見ず知らずの人」ではいられないので、今この完本したタイミングを逃さず目崎氏を打ち合わせに誘い出す。台本の隅をつつき、障子の桟のホコリを指で掬う姑みたいな執拗さで自分…

コミュニケーション実弾射撃

the end of company ジエン社 「クセナキスキス」 作・演出:作者本介 @日暮里d-倉庫 廃虚同然のだだっ広い密室に、すきま風が吹いていると思い浮かべてほしい。いちおう窓はある。部屋にはあなた一人しかいない。光は射し込んでくるけど、残念ながら磨り…

ビッグクランチとパラレルワールド

あなピグモ捕獲団 「SUPERNOVA」 作・演出:福永郁央 @下北沢シアター711

山賊のいる教室

たすいち『あなたのひとみにうつらない』稽古場にお邪魔する。比喩でもなんでもなくお邪魔する。行って、ただ座ってました。あなたのひとみにうつらない、わたしは現場でなにもしない。 というのも小道具を使うのかどうかが不明で、このまま何も作らずに本番…

ホトケ、舞う

ペナペナG&早稲田大学演劇倶楽部 「ちょっとここ電波届かないから」 脚本・演出:須賀麻維子 @早稲田大学学生会館B203

Like A Beijing/セコムしてません

北京蝶々 「アンゲーテッド・コミュニティ」 作・演出:大塩哲史 @中野テアトルBONBON 初めて行く劇場。予想を大きく上回る美術の動きかた(絵合わせパズルゲームの画面でも見てるのかと思った)に仰天。転換するたびに、あわわ、あわわ、ってなる。

高天烈風弾

柿喰う客 「露出狂」 作・演出:中屋敷法仁 @王子小劇場 ガールズナイト公演(女性は割引/男性は割増)とか乱痴気公演(全配役シャッフル)とか各種イベント取り揃え、男子禁制の舞台上に出演者は女優オンリー総勢14名ときたら、楽しそうでしょう? ふわふ…

自意識あぁ無情

ハイバイ 「ヒッキー・カンクーントルネード」 作・演出:岩井秀人 @五反田アトリエヘリコプター 僕が観るのも二度目だし、作品としてはすでに5〜6回は再演されているはずなんですが、まるで色褪せないのは岩井さんそのものが作品に宿っているからだと思…

ライブハウス劇研へようこそ

犬と串 「暴くな」不知火チームVer. 作・演出:モラル @早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ 20時開演で2時間級の作品やっちゃうとか、劇場内に空調機器が一切ないとか、そんなビハインドをすべて背負い投げて余りある超弩級ショータイム・フィクション。「…

ウィー・アー・ファイン

クロカミショウネン18 「ユー・アー・マイン」 作・演出:野坂実 @下北沢駅前劇場 ひたすら複雑になってゆく展開はまごうかたなきパズルなのに、それを「解きながら観る」という視点を完膚なきまでに奪われる快感。いま誰が誰でとか全部どうでもよくなって…

復路

エネルギーとエレクトロニクスの提供でお送りしましたロロ『旅、旅旅』ついに終演。長かったような短かったような、などという感慨はあまりに常套句すぎるので書きませんが(書きましたが)、ご来場ありがとうございました。 めちゃくちゃ楽しかったんだけど…

シニフィアンプラスワン

たとえば大海原を西へ西へと進んだコロンブスが新大陸を発見したように、誰も信じていないだけで本当はシュールを突き詰めた果てには新しいリアルがあるのかもしれないし、よしんばリアルじゃなくたって目の前に間違いなく「それ」が「ある」ことへの純粋な…

旅の宿王子

小屋入りして2日め、仕込みは経過順調。舞台が建って物が置かれて初めてわかることも多数あるし、視覚的おもしろさの追究はまだまだこれからです。皆様の目には『旅、旅旅』かなりトリッキーな作品に映るやもしれませぬが、わかる/わからないを飛び越えた…

家族以外立入禁止

ゴジゲン 「アメリカン家族」 作・演出:松居大悟 @吉祥寺シアター 何をやっても飽きっぽく長続きしない僕が、唯一30年近くも続けてこれたものといえば家族くらいで、それは「遺伝子」だとか「絆」だとかいった分かりやすいものじゃなくて、剥がしても剥が…

四半時間世界一周

Mrs.fictions 「15Minutes Made vol.8」 出演団体:時間堂/TOKYO PLAYERS COLLECTION/PLAT-formance/国道五十八号戦線/劇団芋屋/Mrs.fictions @池袋シアターグリーンBOXinBOX Theater 一貫したコンセプトがあるからとはいえ、溜め息が出そうなほど美し…